あなたが最後に、誰かの話に耳を傾けたのはいつだったか、覚えていますか?
次に何を言おうか考えたり、ちらりと携帯電話を見やったり、相手の話をさえぎって自分の考えを話し始めたりせずに、本気で聴いたのは?
これは『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』の冒頭に出てくる問いかけです。
果たして、これに自信を持って「覚えている!」と言える方はどれほどいるでしょうか。
本書では聞くことの重要性が唱えられており、読む前と読んだ後ではあなたの価値観が大きく変わること間違いなしです。
早速濃い試し読みしていきましょう。
『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』ケイト・マーフィ
スピーキングやプレゼン能力など、「話すこと」にフィーチャーしたビジネス書が多い中、『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』 は「聞くこと」の重要性にスポットライトを当てています。
聞くことに意識を向けないことが、自分にどれほどの損失をもたらしているのか。
それに気付かせてくれるビジネス書は他にありません。
そんな稀有な書籍の一部を要約してご紹介します。
濃い試し読み「間をいとわない人は、より多くの情報を引き出す」
トップ営業マンは何をしているのか?
本書には、テキサス州の家具店のトップ販売員、グレッグ・ホップの話が登場します。
彼と一緒にいたのは高齢のホートン夫妻。
ふたりは朝食用のスペースにダイニングテーブルの購入を考えています。
先ほどホップに見せてもらった整理だんすも、ゲスト用の寝室で使うために検討中です。
ふたりはどうやら決めかねて困っているようで、ここ5~10分ほど一言も発していません。重たい沈黙が続いています。
ホップの給料は1日の売り上げに連動する歩合制です。彼が見込み客を取り逃しているのは誰が見ても明らかでした。
しかし、ホップの表情は、まるで風のない日の湖面のように穏やかでした。
彼は夫婦を、心から気にかけた面持ちで見つめています。
気まずい沈黙の中、このふたりは何も買わないものと思われた瞬間、ホートン夫人が口火を切りました。
「テーブルも買うし、おそろいの椅子、あぁそれかっら整理だんすも、何だったらテレビ台も買うわ、ほら、ついでだから」
自分が話さなかったからこそ、価値のあることが聞ける
「人に好きなだけ話してもらうなんて、時間が余計にかかりそうだと思うかもしれません。でも実は、その方が速いし楽な上、間違いも減ります」
ホップは黙っていることを学び、お客さんの話を聞きたいという姿勢を前面に出していました。
それが彼の営業成績に繋がっているのでしょう。
優れた聞き手であるとは、間や沈黙を受け入れるということです。
なぜなら、間や沈黙をあまりにも早く埋めてしまう、ましてやかぶせ気味に言葉を発してしまうと、もしかしたら、話し手はうまく言葉にならない何かを伝えようとしているかもしれないのに、それを妨げてしまうからです。
考えるための余白を相手のために確保すれば、やりとりからもっと多くを得られるようになります。
まとめ
今回は「聞くこと」がもたらす影響のひとつとして営業を例に出しました。
しかし本書では、「聞くこと」が人間関係全般、ひいては人生に好影響をもたらすことを明らかにしています。
『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』を読んで、あなたも「聞くこと」でより豊かな人生を送りませんか?
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