現代社会で求められる能力は、問題発見能力です。
しかしながら、問題解決の手法を紹介したビジネス書が数多ある一方、問題発見にフォーカスした本は多くありません。
そんな中、『観想力』では、問題発見能力を身につけるための視点・視座・切り口を学ぶことができます。
『観想力』を濃い試し読みし、あなたの常識を破壊しましょう。
『観想力』三谷宏治
この本の知名度は高くありませんが、コンサル業界では特によく読まれている名著です。
本書は以下の4章立てになっています。
第1章 常識を破壊する
第2章 正しい視点を持つ
第3章 高い視座から眺める
第4章 マトリクスを使いこなす
特に「第1章 常識を破壊する」には半分近くのページが割かれており、読み応えのある内容です。
全体的に日本企業を題材にしたケーススタディが多いので、「あれにはこんな背景や戦略があったのか!」と楽しみながら学びを深められると思います。
では、ここからは副題にもなっている「空気はなぜ透明か」を濃い試し読みしていきましょう。
濃い試し読み「空気はなぜ透明か」
問い
「空気はなぜ透明か」
まずはご自分で考えてみてください。
考えずにこの先を読んでも学びはありません。
少し補足します。
この地球上に最も多く存在する気体は窒素です。それに酸素や二酸化炭素などが混じって空気となっています。
色がついた気体も多いのに、なぜ空気は透明なのでしょうか。

解答編
では解答編です。
よくある回答は以下の通りです。
「空気の分子は小さくて光がぶつからないから」
「光の性質として空気には吸収されないから」
これらは「透明性」の定義を説明しているだけで、「なぜ」という問いに答えていません。
「人間が呼吸をしているうちに、透明でない部分が減ってきて…」
「太陽光線が不透明である部分を分解して…」
というように、なぜ空気が透明に「なったのか」を考える人も多いですが、空気や太陽は40億年前からほとんど変わっていません。
人がいようといまいとこの状態でしょう。
ヒント「空気が変わったのではなくて…」
自分を中心とした視点(天動説)に立つ限り、この問題は決して解けません。
「空気が透明であるとき、人はどういう状態か」を考えてみましょう。
もし光が空気を透過しなかったら、人はどうなるでしょうか。
とてつもなく不便ですよね。
すなわち、空気が透明であるということは、人にとってとても便利な状態なのです。
答えがわかりましたか?
空気が変わったのではありません。
地球上の生物のほとんどが「空気が透明になるように」変わってきたのです。
「空気はなぜ透明か」と聞かれると、空気は全面的に透明だと思い込んでしまうかもしれません。
それを論理性や知識の拡大で乗り越えることが肝要です。
まとめ
いかがでしたか?
常識を破壊する感覚をつかんでいただけたなら幸いです。
『観想力』を読み、常識から解き放たれて自由な発想をする素地を養ってみてはいかがでしょうか?
コメント