【銃・病原菌・鉄】世界の勢力図の根源を解き明かすおすすめ本

趣味・実用

いわゆる先進国と新興国の差はなぜ生じたのでしょうか?

なぜヨーロッパ人はアメリカ先住民を征服することができ、その逆は起こらなかったのでしょうか?

そんな疑問に答えてくれる書籍が『銃・病原菌・鉄』です。

永遠の名著として読み継がれる『銃・病原菌・鉄』を「濃い試し読み」してみましょう。

『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド

『銃・病原菌・鉄』は、ピューリッツァー賞や国際コスモス賞などを受賞し、全世界で読まれている名著です。

筆者がニューギニアの政治家に「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」と質問されたことが、本書を書くきっかけになっています。

昔で言う先進国と発展途上国の違いの原因を、文化人類学や進化生物学、言語学などの知見を活かして解き明かしています。

数々の歴史的事実の下地を知ることができるので、より立体的に世界史を理解が可能になるでしょう。

私自身、技術格差の原因について明快な答えを出せていなかったので、この本を読んで目から鱗が落ちまくりました。

濃い試し読み「なぜシマウマは家畜にならなかったのか」

地域格差の要因の1つに、動物を家畜化できたか否かがあります。
狩猟採集生活から脱却するには家畜の存在が欠かせないからです。

牛や豚ははるか昔から家畜として農耕を支え、馬は戦争でも大きな役割を果たしてきました。

しかし、シマウマをはじめ、圧倒的大多数の動物は家畜になりませんでした。
一体なぜなのでしょうか?

家畜化されなかった6つの理由

以下の問題に1つでも引っかかってしまうと、その動物が家畜になることはできませんでした。

①餌の問題
②成長速度の問題
③繁殖上の問題
④気性の問題
⑤パニックになりやすい性格の問題
⑥序列制のある集団を形成しない問題

たとえば、肉食動物が家畜化されなかったのは「①餌の問題」によります。

動物が餌として食べた動植物のうち、動物の血となり肉となるのは餌の10%です。

つまり、体重450kgの牛を育てるには、4.5tのトウモロコシが必要となります。
体重450kgの肉食動物を育てるには、45tのトウモロコシで育てた草食動物が4.5t必要になります。

ですから、効率の悪い肉食動物は家畜化されませんでした(もちろん気性の問題もありますが)。

シマウマが家畜化されなかったのは「④気性の問題」です。

種全体として、シマウマは歳をとるにつれて、どうしようもなく気性が荒くなり危険になります。

また、一旦人に嚙みついたら絶対に離さないという修正を持っており、シマウマに噛みつかれて怪我をする動物監視員は毎年発生しています。

さらに、投げ縄で捕まえることがほとんど不可能であるため、シマウマに鞍をつけることはほぼ無理でした。

シマウマを家畜化することへの関心は高かったものの、以上の理由からその試みは失敗に終わりました。

まとめ

今回はあえて核心部分の記述を避け、興味を持っていただけそうな内容を濃い試し読みしていただきました。

地域格差が生じた理由の詳細は、実際にみなさんの目で確かめてください。

『銃・病原菌・鉄』があなたの視座を高くすることを、自信を持って保証します。

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