【良い戦略、悪い戦略】戦略を見抜く視座を得られるおすすめビジネス書

ビジネス書

多くの企業が「戦略」を掲げています。
しかし、その多くはそれっぽい言葉を並べただけの「悪い戦略」です。

では、「良い戦略」と「悪い戦略」の違いは一体何なのでしょうか。

戦略の大家が書いた本を濃い試し読みして、その端緒をつかんでみてください。

『良い戦略、悪い戦略』リチャード・P・ルメルト

シンプルなタイトルと赤いカバーが目を引く『良い戦略、悪い戦略』。
名著として読み継がれており、メルカリ創業者の山田進太郎氏もおすすめしている一冊です。

市場には数々の戦略書があふれていますが、この本は他の戦略と一線を画します。

著者のルメルト氏は、戦略を体系化してシンプルな理論に落とし込み、それを数々の事例を通して実証しています。
戦略コンサルタントとしてルメルト氏が実際に扱った事例がほとんどなので、非常に説得力があり、納得感を持ちながら読み進めることができるのがこの本の長所です。

この本を読めば、「良い戦略」と「悪い戦略」を見分ける視点を得られることを保証します。
その視点を活用して、さらなるキャリアアップに活かしてみてはいかがでしょうか?

濃い試し読み「良い戦略は驚きである」

戦略の基本は「最も効果の上がりそうなところにこちらの最強の武器を投じること」です。

良い戦略というのは、これを実現させるために2つの手法をとります。

1つ目は、狙いを定めて一貫性のある行動を組織し、すでにある強みを生かすだけでなく、新たな強みを生み出すものです。
これに関しては、選択と集中の重要性を示したAppleの事例を後述します。

2つ目は、視点を変えて新たな強みを発見するものです。
良い戦略の多くが、ゲームを買えるような鋭い洞察から生まれています。
ウォルマートの出店戦略が代表的な事例です。

どちらについても詳しく書きたいところなのですが、私のキャパの都合上、1つ目のみを深掘りしていきます。

スティーブ・ジョブズのApple再生戦略

1995年にマイクロソフトがWindows95を発表してから、アップルは負の連鎖に巻き込まれて破産寸前となり、ウォール街ではソニーかヒューレッド・パッカードと合併交渉すべきだという見方がもっぱらでした。

1997年9月、いよいよあと2か月で破産というところまで追い込まれたときに、共同創業者のスティーブ・ジョブズが戻ってきました。
だが、市場や実業界は一様に冷ややかで、高度な製品の開発を急ぐかサン・マイクロシステムズ(現在はオラクルに吸収合併されている)と提携するだろう、というのが大方の見方でした。

しかし、ジョブズはそのどちらもせず、1年と経たないうちに劇的な変化をAppleにもたらしたのです。

彼は、競争の激しいコンピューター業界でニッチ製品メーカーとして生き残るという現実を見据え、それにふさわしい規模までアップルを圧縮しました。

つまりジョブズは、存続可能な中枢部分にアップルを回帰させたのです。

15あったデスクトップ機をたった1機種に削減。
プリンターと周辺機器はすべて切り捨て。
ソフト開発も捨て、開発エンジニアをお払い箱に。

ジョブズの戦略が劇的な効果を上げたのは、根本的な問題に直接アタックし、そのための行動に集中したからです。

こうすることでジョブズは破産の危機を乗り越え、次の「機会の窓」が開くのをじっと待っていました。
それがMac、PIXAR、iPod、そしてiPhoneで成功を収めることにつながったのです。

まとめ

今回ご紹介した内容は27ページまでです。
この先は「良い戦略の基本構造」や「良い戦略に活かされる強みの源泉」、そして「ストラテジストの思考法」などが紹介されており、ページを捲るたびに新たな発見をすることができます。

特にクラウン・コルク&シールの戦略のケーススタディは、戦略の奥深さを学べる素晴らしい事例です。
この事例を読むだけでも2000円を払う価値はあると思います。

みなさんもぜひご一読ください。

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