【英語の読み方】英語文献を読む力を鍛えられるおすすめの新書

趣味・実用

TOEICで高得点を取れれば英字新聞も読めると思っていませんか?

実はそうではないことがほとんどです。
現に、TOEIC900点越えの私も英字新聞や洋書に大苦戦しています。

その原因を解き明かしてくれているのが『英語の読み方』です。

受験英語で止まってしまっている方であれば、読んで損はない1冊だと思います。
早速「濃い試し読み」していきましょう。

『英語の読み方』北村一真

今かなり売れている新書『英語の読み方』は、英語文献を読むのに必要なトレーニングのやり方や、読む際のコツを解説してくれています。

このような本は巷に溢れていますが、『英語の読み方』は説明が簡潔かつ明快なので、圧倒的に読みやすいです。

以下では、文法の重要性を解説しているパートを濃い試し読みしていきます。

濃い試し読み「文法の重要性」

大学受験レベルの英語をやり込んだ人には当然のことのように聞こえるかもしれませんが、英文を読むには文法的な構造の把握ができなければなりません。

次の英文を訳せるでしょうか。

The person believed to have helped the thief escape has denied he had anything to do with the incident.

難しい単語はありません。
この英文を読んでスッキリしない感覚が残るとしたら、おそらく文の構造が明確に見えていないからではないでしょうか。

主語と動詞を確定する

「何が」に当たる主語(S)と、「どうする」に当たる述語動詞(V)の確定からスタートします。

まず、The person(S)believed(V)という形ではないかと判断するかと思います。

しかし、believed to have helped… ときた時点で、believedは後ろに「to 不定詞」の形をとれないというルールを思い出せれば、このbelieved が過去形の述語動詞だと解釈することはできないと判断できます。

では、どういう可能性があるでしょうか。

be believed to「…すると考えられている」のような形はありますが、ここではbe動詞に当たるものはありません。

したがって、ここのbelieved to have helped… は、The person を後ろから修飾していて、「…を助けたと考えられていた人物」という意味だということが分かります。

「となれば、述語動詞はescape になるのではないか?」と思ってはいけません。
三人称単数の主語なので、escaped/escapes などとなるはずです。

英語を読みなれている方なら、help の後には「目的語+原形動詞」の形が来て「~が…することを助ける」という意味になることが多いという意識があるはずです。

つまり、have helped the thief escape「その泥棒が逃げるのを助けた」が正しい訳になります。

結局、文の述語動詞(V)はescape の後に登場するhas denied です。

have anything to do with… は「…と何らかの関係がある」という意味なので、「泥棒が逃げるのを手助けしたと考えられている人物はその件にいかなる関係があることも否定した→その件に何の関係もないと主張した」という文意が見えてきます。

文の構造を示すと次のような形になります。

The person (believed to have helped / the thief / escape)(S) has denied (V)(that) he had anything to do with the incident.(O)

おすすめの学習参考書

書籍内で著者の北村一真さんがおすすめしている参考書をご紹介します(私は『英文読解の透視図』以外読んでいませんので、北村さんの文章を引用していますが悪しからず…)。

『英文法基礎10題ドリル』田中健一

大学入試レベルの基本からドリル形式で確認できる作りになっています。
「短い文ならわかるが、長くなると混乱する」という人におすすめです。

『単語を覚えたのに読めない人のための英文読解のオキテ55』宮下卓也

句・節を単位に、英文を構造的に読む方法をわかりやすく説明しています。
長文を読むときに必要な、英語をカタマリで捉えるためのヒントが詰まっています。

『英文読解の透視図』篠田重晃ほか

難関大学の受験性に支持されている英文解釈の名著(私も本当にお世話になりました)。
この本を読み切って理解すれば、ひとまず大学受験レベルはクリアしたと言えるでしょう。

『[新版]ルールとパターンの英文解釈』伊藤和夫

同著者の代表作『英文解釈教室』の一歩手前のレベルを対象とした参考書。
特に重層的な節構造をパターン化し、その読み解き方を詳しく解説しています。

まとめ

かなりの長文を読んでいただき、誠にありがとうございました。

英文法の重要性を理解していただけたでしょうか。

このような基礎事項から、エドガー・アラン・ポーの小説の読解まで、幅広く英語の読み方を学ぶことができます。

英語の勉強方法にお悩みの方は、ぜひご一読ください。

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